こんにちは。辻浦です。
東海地方も梅雨入りしましたね。
低気圧の影響で、体調も崩しやすいので、皆さまお体ご自愛下さい。
梅雨時期に思い出すのが、買ったばかりのお気に入りの傘を初めて使った日に盗まれたことです…。でっかく名前を書いておくべきだったのか…。
さて、今回のテーマ「思い出を引き継ぐ家づくり」について。
自宅の建て替えや、リノベーションを検討する中で、まだ使える設備や建具、古材などを新居でも使いたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。使い続けてきた愛着や、味わい深くなっているもの。それぞれに家族の想いがこもっています。
形を変えて、素敵に生まれ変わったり、そのまま再利用したりと、いろんな方法があります。
現在、建築中の「好きを楽しむ家」も家族の思い入れのあるものを新居で再利用します。
建て主さまのご祖父様が庭師さんだったようで。
旧邸の縁側の前に、この沓脱石(くつぬぎいし)が据えてありました。
薄いグリーンの波線模様のとても素敵な石。
この沓脱石を新居でも使いたいとのご要望がありました。
そもそも沓脱石って?
縁側などの前に置き、履物を脱いでそこに置いたり、踏み台にしたりする石のことです。
こちらは玄関のパース。玄関からリビングと和室、それぞれの入口をわけたいとのご要望で、和室入口の前に、沓脱石を据えることにしました。サイドには地窓を設け、足元にやわらかな自然光が差し込むように。
この沓脱石がいい雰囲気をだしてくれると思います。
使える素材を新居に活かすことで、家族の思い出や歴史を引き継ぐことにもなります。
私の祖父の家にも沓脱石があります。大工だった亡き祖父が自分で建てた家です。祖母曰く、家の中のいろんな部材を祖父自身が選んできたそうで、「あの欄間は、端がすこしだけ欠けてて安く手に入ったのよ(笑)」「あの襖はね・・・」と祖母から家づくりの色んなエピソードを聞きます。どんな思いでひとつひとつ選んできたのだろうか。祖父に聞いてみたかったですね。いつか、自分の家を建てるとき、あの沓脱石を使いたいなぁと妄想が膨らむばかりです。
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